052774 ランダム
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ふぁんふぁんふぁ-ましぃ



「アイツ・・・キモイよなー」


何時も、そんな事を幼なじみの圭太(けいた)に言われる

「愛魅(あいみ)ちゃんは可愛い方だよ」
「そーか?」
「そうだよ」

私は可愛く無いんだな・・・・・と良く思う
だって、一番好きな圭太に言われちゃうんだもん

まぁ嘘でも無いけど
私はお世辞を言う程可愛く無い
それに頭も良くないし
高1にもなって今だに50mが10秒台・・・

こんな私は絶対彼氏何かできないんだろうと解ってたし

そんなに苦しいって事も無い

一生結婚なんて・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「おい!薄鈍ー速く走れよー!歩いちゃ駄目だぞー」
「そうゆう事言うなよ、可哀相だろ!」
「良いよーあんなブサイク」
「馬鹿!!」


さすがに傷ついた
好きな人に言われると精神的に駄目になる
でも、なんで卿(きょう)君は何時も私をかばってくれるのだろう・・・
私と全然違う卿君は・・・・・・・・


-その日の放課後-


「愛魅ぃ明日の数学の問題解くのアンタだよね?」
「えっ!?嘘ー教科書置いて来ちゃった・・・・・」
「馬鹿ね、早く取って来い!!2分待ってあげる」
「えぇっ!!無理ー」
「良いから・・早く!」
「はーい」


私は渋々階段を登った
この高校の階段はドラマに出てくる様な階段だけど
私は嫌いだ
落っこちそうなんだもん・・・・


息を切らして、やっと教室に着いた

「ハァ・・・ハァ」

するとドアのむこうから声が聞こえた


「アノ人間ハ見ツカッタヵ?」
「はい、もう少しです」
「早ク見ツケナイト・・・・オ前ハ王ニナレナイゾ」
「はい、解っております・・・・父上の跡継ぎは私ですから」
「解ッタ、幸運ヲ祈ル」


・・・・・・・・・・・・


何だろう?見つかるとか、王とか
誰が居るんだろう・・・


思い切って私は小窓から覗いてみた


目の前には青白い光が降り注いだ
「何、これ?眩しい!」

目を開けると
狐が居た
どうやら人は居ないらしい


でも、そこに居た狐の何と美しいんだろう
艶々の白い毛に、奥深い瞳
本当に狐なのだろうか・・・

思わずため息を尽いた

「奇麗・・・・」

すると狐は何故か卿君のバックを口でくわえた

(何するんだ?)

狐は起用にバックを開けて中にある紙切れを取った

(あれは・・・・・御札?)


そしてソレを口にくわえて
奇声をあげた

「キキュウキキ!」
「?!」

狐はまた青白い光を放った

「キャッ!」

ついでに白い煙が出てきた


「ケホ、ケホ」

(目が痛い・・・)


煙が消えた事を確認して、また中を見ると

「誰も居ない?・・・・?」

ガラー

「!!っ!?」
ドアの開く音にビックリした

もう、正常に要られない程飛び跳ねた


思わず
「御免なさい!!」
と、叫んだ


「・・・・・愛魅ちゃん・・・・・・・・」
「?・・・」

何処かで聞いた声がする
この声は

「卿君?!」
「愛魅ちゃん、見たんだね?」
「え?!は、うん?御免なさい!!」


(狐の正体は卿君だったの?!)


最後のチャイムが鳴って
静まり返った廊下の出来事だった







「え?卿君・・・・さっきの狐なの?」
私は卿君を見つめた
卿君は、あっけらかんに言った

「やっぱり見たんだね・・・そう、僕は狐」


「ほ、本当?」
「嘘付いてどーするのさ・・・」
「で、でも・・・・」
「すぐには信じられないだろうけど」
「で、でも・・・何で」

卿君は下を向いた


「僕は、婚約者を見つけるためココ(人間界)に来たんだ」
「婚約者?って誰・・・」
「誰かは解らない・・・でも昔、僕をかばって体に傷を負った子何だけど・・・」
「傷?私も有るよーほら」

私はおもむろに首筋に有る傷を見せた


「ね?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」
卿君は渋々見つめた
「・・・・・・恥ずかしいなぁ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「でも、違うよね!卿君の探している人とは」
「・・・・・・・・!」
卿君は何か感付いた


「・・・?・・・・」


「これは・・・」
「どうしたの?」


「まさか・・愛魅ちゃんが僕の探していた姫君・・・だった何て」
「え?!私・・・?!!」
「まさしく、この手の傷は・・・人間に殺されそうになっていた僕を助けてくれた時
の傷だ・・・・愛魅ちゃん覚えある?」

卿君は真面目な顔で私に聞いた


「えーっと・・・分かんない」
「そうか・・でも、これで解った僕の探していた姫君は愛魅ちゃんだったんだ」
「わ、私?!」


すると卿君は私の前で膝まずいた

「え・・・っ」


「人間の運命とは、儚いものです
貴方の運命・・・僕にください 僕が人間では無いとしても君を是非
僕だけの人にしたい」
「え・・・えっ?!」

「駄目?」
「駄目じゃないけど・・・私、他に好きな人居るし・・・」
「圭太?」
「う、うん」
「そっかぁー、圭太の何処が良いの?」
「何処って・・・えっとー」
「見つからないでしょ・・アイツ愛魅ちゃんだけには冷たくするんだよね」
「・・・・・」
「僕が守ってあげる」
「え?!でも、どうやって・・」

卿君は立ち上がった

「愛魅ちゃんを寂しさから守ってあげる、ね!」

何て話の移り変わりが早い人何だろう・・(狐だけど)


「えーっと、うーん・・」



卿君は微笑んだ


「もし、僕が君を幸せにできたら・・・僕と結婚して欲しい」

「え?け、結婚?!」

「駄目?」


また愛魅は一歩下がった


「だって…私、このままでも幸せだもん…」

「ホントに?そうには見えないよ?」

卿君には私の一体何が見えているの?
私のどこが幸せでは無いの??

「あ!」

「どこが幸せじゃないか解った?」


愛魅は微笑んだ

「明日の数学の問題解くの私さぁ~それでしょ?」



卿君は私を睨んだ



「圭太…好きなんだろ?付き合いたいんでしょ?」

卿君には全て見抜かれているんだ…
でも、ここで「うん、そうだよ」って言ったら
情けない

大体、卿君(狐だけど…)何ができるって言うの?
もし…もしだけど…私と圭太を付き合わせたとしても…しても…ね?
卿君には何に得なんて無いんだよ?
そんなんじゃ悲しいじゃない


「そんな事無いよ」
卿君は私の心を見抜いているのか、答えた

「え?」



「愛魅ちゃんが幸せになれば良いんだから…その後でも遅くは無いんだよ」
卿君は微笑んだ
お願いそんな瞳で私を見ないで…
何で?何で卿君は
私の欲しい言葉を言ってくれるの?
私が好きな圭太に言って欲しいのに…


「で、愛魅ちゃん?どうします?」
「え?」
「お願いだよ」
「え…うん…どうしよう…」

大体にして、願い(幸せ)になったら
私は卿君の婚約者にならなきゃいけないのだし…


「ん~…」

本当は答えが浮かんでる
「いいよ」って言うこと
あえて悩んでいる感じにした
だって…


「じゃぁ、良いよ、でもね?愛魅ちゃんはきっと僕に願い(幸せ)を言いに来るよ?」
卿君は薄笑し、私を見た

「え?」




「ちょっとぉ!愛魅ぃ?!あ!お邪魔だった?アハ」

「あ!恵美ちゃん」
なんとグットタイミング!そういえば、元々教科書を取りに来たのだ
やっと、悩み多き話は中断だれたのだ


「え?良いの?告白だったんでしょ~」
恵美ちゃんは何にも知らないから
そんな笑っていられるんだ
と、ちょっと恵美ちゃんを恨んだ。

「まぁ、告白みたいなものだよ」
「嘘ぉ!マジ?じゃぁ先帰ろうか?」
「良いよ!恵美ちゃん!私も帰る!!」
私は思わず恵美ちゃんにしがみ付いた



「うん、話は終わったし、帰って良いよ、バイバイまた明日」






もう、一体、卿君は私の何が解るの?


そんな事を考えていると恵美ちゃんが…

「ねぇ?一体、卿君に何聞かれたの?」
「ん?!」





そんなの言えないよ…



「ねぇ?」







卿君に婚約者になってくれって言われたなんて








「愛魅?」









言えないよ…









「ふっ、うぅ…」

私は何時の間にか泣いていた


「愛魅!どうした?!」


「わぁあん、」




情けない…
絶えられなかったのだ

友達だと思ってた卿君に告白(?)されて
私の心の中を読まれて
大好きな圭太に言って欲しかった言葉を言われて…それと…


いつの間にか月が出ていた


外は夜の色になっていて
私はなんてちっぽけ何だろう

夜の風が
私の頬を流れる涙を拭ってくれた


何て素敵な夜なんだろう?








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